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顕微鏡用語解説

50音順 用語一覧

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ア行

アイアール ディーアイシー
IR-DIC

  • 光源として近赤外光(800nm程度)を使った微分干渉法。生体試料中で、赤外光は可視光より散乱が少なくより深い所まで観察できる。脳スライス標本でパッチクランプを行う場合などで利用されている。

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アイブイエフ
IVF

  • in vitro fertilization(体外受精)。不妊の治療手段として行われる。ディッシュ内で受精させ、受精卵を体内にもどす。

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アクチン
actin

  • 筋肉の主要構成タンパク質。直径5.5nmの球状タンパク質で2重ラセン状に重合し繊維(マイクロフィラメント)をつくる。アクチンは筋肉中だけでなく細胞一般に存在し、細胞骨格の1つとしてミオシンと協同して運動の力を発生させる。

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アセチルコリン受容体
acetylcholine receptor

  • 神経伝達物質のアセチルコリンのための受容体。神経と筋肉の接合部のシナプスで、筋肉側に受容体があり、神経から放出されるアセチルコチリンにより興奮が伝わる。

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アビジン-ビオチン
avidin-biotin

  • アビジンは卵白中にあるタンパク質で、ビオチン(ビタミン Hまたはビタミン B7とも呼ばれる)と特異的に結合する。この特異性を利用して、FISHで蛍光色素標識アビジンを用いビオチン化DNAの検出が行われている。酵素抗体法や蛍光抗体法の増感法としても利用される(ABC法)。

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アフリカツメガエル
South-African clawed toad(African clawed frog)

  • 南アフリカ産のゼノパス(Xenopus laevis)という種類のカエルが生物実験でよく利用される。通常カエルは生きた餌が必要で年に1度の産卵だがゼノパスは配合飼料で飼育でき3ヶ月に1度産卵する。卵も発生学でよく利用される。

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アミノ酸
amino acid

  • アミノ酸は1つの炭素(>C<)のまわりに水素(-H)、アミノ基(-NH2)、カルボキシル基(-COOH)と各種側鎖(-R)を持つ。アミノ基とカルボキシル基が結合してタンパク質が作られる(ペプチド結合という)。側鎖が水素(-H)だとグリシン、メチル基(-CH3)だとアラニンというようにアミノ酸の種類は側鎖による。タンパク質合成に使われないアミノ酸もある。

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アミノ酸配列
amino acid sequence

  • タンパク質はアミノ酸がつながってできている。アミノ酸配列のことをタンパク質の1次構造ともいう。アミノ酸のならぶ順序はDNAの塩基配列によって決まり、タンパク質の構造(形)はアミノ酸配列に依存する。

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アミロイド
amyloid

  • 水に溶けにくい繊維状のタンパク質。組織に沈着したアミロイドはコンゴーレッドで染色し偏光顕微鏡で観察する。アルツハイマー型認知症では脳にアミロイドの沈着が見られる。

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アルファ ブンガロトキシン
α bungarotoxin

  • アマガサヘビの毒。神経-筋接合部にあるアセチルコリン受容体に強く結合することで、シグナル伝達が妨げられる(神経毒)。

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アレクサフルオール488
AlexaFluor488

  • モレキュラープローブス/インビトロジェン社の蛍光色素で、近紫外から近赤外までシリーズで販売されている。数字は励起波長を示しており、明るく、退色しにくい、明るさが pH に依存しないなどが特徴。AlexaFluor488はFITCの代わりに利用される。FITCはpH依存性があり、退色も激しい。

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イオン濃度測定
ion concentration measurement

  • 蛍光性の指示薬の発達で細胞内の遊離イオン濃度測定が簡単にできるようになった。カルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、水素(pH)、塩素などが測定されている。

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1分子蛍光
single fluorescent dye molecule imaging

  • タンパク質分子1個が働いている様子を直接観察する目的で、観察したいタンパク質分子に蛍光色素1分子を結合させて蛍光顕微鏡下で観察する。

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遺伝子
gene

  • DNAの塩基配列の1つの領域。通常、数100 ~数1000の塩基からなる。タンパク質のアミノ酸配列を決めている。

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遺伝子工学
genetic engineering

  • 遺伝子に人為的変換を加えること。またこれによりホルモンなど有用な物質を大量に生産することも可能。応用だけでなく遺伝子の機能や構造の解明も行われる。

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インド ワン
Indo-1

  • カルシウムイオン濃度測定用蛍光色素。1波長励起(350nm)2波長蛍光(405nm/485nm)タイプでレシオ法により行う。励起切換えしないのでUV対応のレーザ顕微鏡で利用できる。

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ウィルス
virus

  • 細菌より小さい(0.4μm以下)粒子で植物・動物細胞、バクテリアに寄生する。ポリオ・インフルエンザ・タバコモザイクウィルスなど。ゲノムとしてDNAを含むものとRNAを含むものがある。

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エーティーピー
ATP

  • アデノシン3リン酸。生体のエネルギー源になる。ATPの末端のリン酸がはずれる時に大きなエネルギーが得られる。細胞を刺激して細胞内遊離カルシウムイオン濃度を上昇させる作用がある。

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エバネッセント波
evanescent wave

  • 光が全反射したときの光波のように、境界面からの距離に対して指数関数的に減衰していく光波。この境界面からしみだす光を利用して、ごく近傍にある蛍光色素だけを励起する。

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エフアイティーシー
FITC

  • fl uorescein isothiocyanate。抗体の標識用蛍光色素としてもっともよく使われている。ex490nm/em520nm(ピーク値)でB励起で観察する。大変明るいが褪色しやすくpH感受性がある。退色防止剤は必須。

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塩基
base

  • DNAやRNAの構成要素。アデニン(A)・グアニン(G)・シトシン(C)・チミン(T)・ウラシル(U)がある。DNAやRNAの2本鎖ができる際にはアデニンの向かい合う相手はチミン(ウラシル)、グアニンの向かい合う相手はシトシンと決まっている。チミンはDNAにだけ、ウラシルはRNAだけにある。

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塩基配列
base sequence

  • 遺伝情報は塩基の配列順序という形でつづられている。アデニン・グアニン・チミン・シトシンのうちの3個の並び順で対応するアミノ酸が決まる。

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遠心機
centrifuge

  • 試料を分離するために遠心力をかける装置。いろいろな形状のロータを使うことで試験管、エッペンドルフチューブ、マイクロプレートなどに対応できる。チューブが水平方向に向くスイングローター、チューブを垂直に置く垂直ローター、斜めに置く固定角(アングル)ローターがある。DNAの濃縮にはチューブを回転しながら真空ポンプで引き乾燥させる遠心エバポレータが使われる。

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横紋筋
striate muscle

  • 筋肉の基本ユニット(サルコメアsarcomereという)が筋細胞全体に配列しているため横縞となって見える。

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オルガネラ
organelle

  • 細胞内小器官のこと。細胞小器官とも呼ばれる。細胞の中で特別な形態や機能を持つ構造のこと。原核細胞(バクテリアなど)ではほとんど見られない。脂質膜でできた膜性オルガネラとタンパク質でできた非膜性オルガネラがある。核・小胞体・ゴルジ体・顆粒・ミトコンドリア・細胞骨格など。

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オワンクラゲ
Aequorea victoria

  • 日本沿岸で見られるオワンクラゲはA. coerulescensで欧米のオワンクラゲはA. victoria。下村脩がGFPを見つけたのはA. victoriaのほう。最大で20cmくらい。 クラゲは英語ではjellyfishという。

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カ行

開口数
Numerical Aperture(N.A.)

  • 開口数とは、対物レンズの性能(分解能焦点深度、明るさなど)を判断するための重要な指標であり、次の式で表される。
    開口数:N.A.=n×sinθ

    顕微鏡の明るさBは、対物レンズの倍率をMとすると、以下の関係式で表される。N.A.が大きいほど、倍率が低いほど、それらの2乗で明るくなる。
    B∝(N.A.)^2/M^2

    開口数(N.A.)の図

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海馬
hippocampus

  • 大脳の内側にあり記憶に関連する部位と考えられている。神経ネットワークが比較的単純なことからスライスでの研究が進んでいる。

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カエデ
Kaede

  • ヒユサンゴ由来の蛍光タンパク質で、紫外~紫の光照射で、蛍光特性が「B励起で緑色蛍光」から「G励起で赤色蛍光」に変わる。細胞内での拡散が大変速い。細胞のマークに使える。この変化はphoto-activation(光活性化)とは区別してphoto-conversion(光変換)と呼ぶ。

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nucleus

  • 細胞内にあるオルガネラで遺伝情報源であるDNAの大部分を含む。

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核酸
nucleic acid

  • DNA(デオキシリボ核酸)とRNA(リボ核酸)のこと。塩基とリン酸と糖からなるヌクレオチドがつながった高分子。

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カメレオン
Cameleon

  • CFPとYFPをカルモジュリン(カルシウムイオン結合タンパク質)を介して結合したカルシウムイオン濃度測定プローブ。CFPからYFPへの蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用している。カルモジュリンにカルシウムイオンが結合したとき分子が折れ曲がりCFPとYFPが近接してFRETが起こる。カルシウムイオンが外れるとCFP-YFP間距離が広がりFRETは解消する。

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カルシウムイオン濃度測定
measurement of calcium ion concentration

  • 細胞内の遊離カルシウムイオンの濃度を蛍光プローブなどを用い測定する。普通は数10nMだが刺激により外からの流入や内部貯蔵部位からの放出により 1μM以上に上昇する場合もある。初期にはスポット測光や分光蛍光光度計で計測されていたが、最近ではほとんどイメージングにより計測される。

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間接法
indirect method

  • 蛍光抗体法や酵素抗体法で抗原と反応する抗体(1次抗体)を標識して観察する場合を直接法と呼び、標識していない抗体を抗原に反応後、この1次抗体に対する標識された抗体(2次抗体)を反応させ検出する場合を間接法と呼ぶ。酵素抗体法ではABC法などアビジン-ビオチン反応を利用した間接法などバリエーションが多くある。

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キュードット
Qdot

  • インビトロジェン社で販売している量子ドット(quantum dots)の商標。粒径が10-20nm半導体ナノ粒子。励起したときサイズにより出てくる蛍光の波長が異なる。小さいと青い蛍光色で大きいと赤い蛍光色になる。粒子の表面にアビジンや抗体を標識して利用する。明るい、退色しない、蛍光波長分布がシャープなどの特徴がある。

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キュー バンド
Q band

  • 染色体をキナクリンマスタードで染めたとき、染色体の内部構造の違いにより局所的に染まりかたが異なりバンドが現れる。

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共焦点
confocal

  • 検出器の手前で焦点と共役の位置にピンホールが設置されている光学系。共焦点レーザ走査型あるいはニポウディスク型顕微鏡では、共焦点ピンホールにより焦点位置からの蛍光のみを選択して検出器に導入することで、ボケの原因である非焦点面からの光を遮断して光学的スライス像を得ている。

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機械的鏡筒長
Mechanical tube length

  • 様々な対物レンズの取り付け基準面と接眼レンズの取り付け基準面との距離(L’)を指し、160mmが基準とされている。 様々な種類の対物レンズや接眼レンズを組み合わせても、同じピント位置を維持するには、対物レンズの1次像位置(×印)から接眼レンズの取付け基準面までの距離(a)が一定でなければならない。
    同焦点距離・機械的鏡筒長
    同焦点距離・機械筒長

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グラム染色
Gram stain

  • 細菌の分類基準。染色の最後のステップで脱色すると陰性、しなければ陽性。菌体の最外層の組成により決まる。

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クロモゾーム ペインティング
chromosome painting

  • FISHの応用で1本の染色体全体を1つの蛍光で染める。染色体の数の多少や切れたり他につながったりしているのがわかる。

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ケージド 試薬
caged reagent

  • 生理活性を持つ物質の活性を抑制し本来の機能を持たないようにした化合物を生体内に導入しておく。この化合物はUV照射により抑制が解除され本来の活性が復活機能するようになる。

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蛍光抗体法
immunofluorescence assay

  • あるタンパク質の細胞内や組織内分布をこのタンパク質と特異的に結合する抗体(1次抗体)を用いて検出する。この抗体に対する抗体(2次抗体)が蛍光色素で標識してある(市販されている)。標識した2次抗体を使う方法を間接蛍光抗体法という。

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蛍光退色回復法
fluorescence recovery after photobleaching

  • FRAPと略される。たとえば細胞表面を蛍光色素で標識し、一部をレーザ照射により退色させる。しばらくすると退色した部分の蛍光が回復してくるが、これは退色した色素としていない色素がそれぞれ拡散することによる。細胞膜の流動性などを測定することができる。

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蛍光タンパク質
fluorescent protein

  • 1960年代に下村脩がオワンクラゲから発見・精製した緑の蛍光を発するタンパク質をGFP(緑色蛍光タンパク質)という。その後、遺伝子を改変したり、別の動物から単離されたりして、色のバリエーションが多数ありそれぞれ名前が付いている。総称的に蛍光タンパク質という。

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蛍光プローブ
fluorescent probe

  • 蛍光の特性を利用して生体内の物質やまわりの環境の特性を調べるために用いる。pH・カルシウムイオン濃度・分子間の距離・分子の回転などの測定プローブがある。

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結合組織
connective tissue

  • コラーゲンなどの細胞外マトリックスの豊富な組織で筋組織などをとりかこむ組織のこと。

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原生動物
protozoa

  • 単細胞性の動物。原虫という人もいる。アメーバ(Amoeba)、ゾウリムシ(Paramecium)、テトラヒメナ(Tetrahymena)などが含まれる。

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光学顕微鏡
Optical microscope

  • 光学顕微鏡の種類
    光学顕微鏡はその用途に応じて最適化された構成に基づいて分類できる。
    標本(観察したい物体)を上方から観察するタイプである正立型顕微鏡(写真左)は最も一般的な形として知られており、広い用途に用いられている。生きた細胞などをディッシュに入れて底側から観察する倒立型顕微鏡(写真右)は、基礎医学分野などで用いられている。

    正立型顕微鏡 BX53 / 倒立型顕微鏡 IX71
     
  • 光学顕微鏡の基本機能と光学系構成
    光学顕微鏡は次の大きな2つの基本機能で構成されます。
    ■標本の拡大像を作る(観察光学系)
    ■標本を照明する(照明光学系)
    標本の拡大像を作る機能は、「鮮鋭な像を得る」・「倍率を変える」・「ピントを合わせる」という3つの基本機能からなり、これらの役割を果たす光学系を観察光学系と言う。
    一方、 標本を照明する機能は、「光を供給する」・「光を集める」・「明るさを変える」という3つの基本機能からなり、これらの役割を果たす光学系を照明光学系と言う。言い換えれば、観察光学系は標本(試料)を光学系によって投影し、さらにその投影像を眼あるいはCCD等の撮像素子に導く役割を果たす光学系である。
    一方、照明光学系は光源から発した光を有効に集め標本に導き照明する役割の光学系である。光学顕微鏡における観察光学系と照明光学系の配置は正立型顕微鏡では下記図の通り、倒立型顕微鏡の場合は観察光学系と照明光学系の配置関係が、正立型顕微鏡の配置に対して標本を中心に上下を反転させた関係となる。

    顕微鏡の光学系構成
    顕微鏡の光学系構成
     
  • 光学顕微鏡の原理(複式顕微鏡)
    光学顕微鏡では、対物レンズによって標本物体の拡大像をつくり、その拡大像を接眼レンズによってさらなる拡大像を作ることにより肉眼で観察される。下記図において、標本物体をABとすると、対物レンズ(ob)によって、倒立実像の1次像(拡大像)A’B’がつくられる。次に、接眼レンズ(oc)をその前側焦点よりも接眼レンズ側にこの1次像A’B’が配置されるようにすることによって、さらに拡大された正立虚像A"B"がつくられ、肉眼を眼(瞳)の位置に配置することによって、拡大像が観察される。つまり、観察される最終像は倒立の虚像となる。このように倒立実像をつくる対物レンズと、正立虚像をつくる接眼レンズを組み合わせて拡大像をつくる形式の顕微鏡は複式顕微鏡と呼ばれ、一般的に、光学顕微鏡の観察光学系はこの複式顕微鏡を基本としている。一方、対物レンズで拡大された倒立実像を直接観察する形式のものは、単式顕微鏡と呼ばれる。近年普及が拡大しているテレビ観察はCCDカメラ等でこの倒立実像を直接に撮像する形であるので単式顕微鏡の光学系となっていると言える。
    光学顕微鏡の原理
    光学顕微鏡の原理

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抗原抗体反応
antigen-antibody reaction

  • 動物が異物と認識し免疫反応を引き起こすような物質を抗原という。抗原と抗体の抗原結合部位とが特異的に結合する。抗原と抗体の結合物はマクロファージにとりこまれ消化されてしまう。

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膠原線維
collagen fibers

  • コラーゲン(タンパク質)の細線維が集まって太い線維構造を持ったものをコラーゲン線維(膠原線維)という。腱や軟骨、皮膚の真皮などを構成する。ゼラチンの原料。

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抗酸菌
acid-fast bacteria

  • マイコバクテリウム属に属する細菌の総称。グラム陽性桿菌。結核菌、らい菌など。

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酵素抗体法
enzyme immuno assay

  • あるタンパク質の細胞や組織内分布をこのタンパク質と特異的に結合する抗体を用いて検出する。この抗体に対する抗体(2次抗体)が酵素で標識してあり(市販されている)酵素により発色する物質と同時に加えることにより抗体の分布した部分がわかる。

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抗体
antibody

  • 免疫グロブリン(タンパク質でできている)のこと。IgG、IgM、IgE、IgA、IgDがある。

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酵母
yeast

  • パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)が生化学・遺伝学で研究材料として使われる。発酵性のものが多い。遺伝子組み替えで宿主として利用されている。

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固定
fixation

  • 生物試料の劣化を防ぐ目的で行う化学的な処理。標本は死んでおり、続いて包埋(薄切)、染色し観察・保存する。生きているときの状態をできるだけ保つことと、抗体染色する場合では抗原性を失わないことが重要で、標本の種類により固定法を使い分ける。グルタルアルデヒドやホルマリンでタンパク質同士を架橋結合する方法と、アルコールやアセトンなどの有機溶剤で変性する方法の2つの固定法がある。

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ゴルジ体
Golgi apparatus

  • オルガネラの1つで、偏平な袋状の膜構造が5 ~ 10枚積み重なっている。小胞体で合成された物質を濃縮し加工して分泌顆粒へ送り出す。

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サ行

細胞
cell

  • 生体組織の構成単位で外界とは膜により隔離されている。自己再生能力を備えた遺伝情報とその発現機構を持つ。

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細胞骨格
cytoskeleton

  • 細胞質中に縦横に張り巡らされた編み目状・束状構造でタンパク質のつながった繊維構造からなる。チューブリンよりなる微小管、アクチンよりなるマイクロフィラメント、サイトケラチンなどよりなる中間径フィラメントがある。細胞の形態保持だけでなく運動の際の主装置として働く。

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細胞質
cytoplasm

  • 細胞全体のうち核と細胞膜以外の部分。細胞小器官、細胞骨格などを含む。

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細胞内情報伝達機構
intracellular signaling mechanism

  • 細胞外からの情報(ホルモン刺激など)は細胞膜にある受容体をへてさらにセカンドメッセンジャを介して細胞内につたえられる。カルシウムイオン、イノシトール3リン酸(IP3)、サイクリックAMP(cAMP)などがセカンドメッセンジャとして働いている。

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細胞膜
cell membrane

  • 細胞と外界を分ける膜を細胞膜という。脂質2重層とタンパク質で構成されている。イオンやアミノ酸、糖、より巨大な分子であるタンパク質を選択的に透過させ、内部環境を一定に維持している。

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作動距離
Working Distance (W.D.)

  • 物体面に焦点を合わせた時の対物レンズの先端から物体面(カバーガラスを使用する対物レンズの場合にはカバーガラス上面)までの距離を指す。

    作動距離と同焦点距離

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サルモネラ菌
Salmonella

  • べん毛を回転して泳ぐ桿菌。病理学的な面から多くの種類に分類される。チフス菌やヒト食中毒の原因となるネズミチフス菌なども含まれる。べん毛に関する研究でもよく利用されている。

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サンゴ
coral

  • サンゴ、イソギンチャクは刺胞動物花虫綱に分類される。クラゲも仲間で刺胞動物ヒドロ虫綱になる。オワンクラゲに続いてイソギンチャクやサンゴからあらたに蛍光タンパク質が見つかり、遺伝子も得られた。

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脂質
lipid

  • 糖質、タンパク質と共に生体を構成する主要な物質。水に溶けず有機溶剤に溶ける。生体膜を構成したり、脂質ホルモンやビタミンがある。

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ショウジョウバエ
fruit fly

  • 世代時間が短く子孫がたくさん得られるので遺伝学でよく使われる。Drosophila melanogaster(キイロショウジョウバエ)は遺伝解析がもっとも進んでいる動物の1つ。

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焦点深度
Depth of focus

  • 顕微鏡で試料面を観察・撮影する時、ピント位置から対物レンズと試料面との距離を変えても、おおよそピントが合って見える範囲を指す。眼の調整力には個人差があるため、焦点深度には個人差があり、計算により得られる値は、あくまでも目安。また、焦点深度を求める計算式もいくつかあり、当社ではBerekの式を採用している。

    ■目視による観察の場合(Berekの式)
    接眼部での観察の場合(Berekの式)

    ■カメラの場合
    カメラの場合は、撮像素子の種類やアダプタ光学系の倍率により異なる。また、画像をモニタでの観察する倍率によって大きく変わり、この場合もあくまでも目安である。
    D.O.F = ±n * δ / m・NA

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小胞体
endoplasmic reticulum

  • ERと略す。動植物の細胞質に普遍的にある細胞内の膜系オルガネラ。袋状で編み目構造を持つ。表面でタンパク質合成が行われ、すぐ内部に取り込まれる。細胞質内の物質輸送に使われる。

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ジーエフピー
GFP

  • green fluorescent protein(緑色蛍光タンパク質)。緑色の蛍光を発するタンパク質で、遺伝子がクローニングされ細胞に導入することができる。注目するタンパク質遺伝子と融合遺伝子を作製することで、簡単に蛍光標識することができる。融合遺伝子を発現させることで生きたまま経時観察できる。

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視野数
Field Number(F.N.)

  • 接眼レンズで観察できる像の直径をmmの単位で表した値である。標本面でどれだけの範囲を観察できるかは、視野数と対物レンズの倍率によって決まる。 接眼レンズを通して観察できる物体面での範囲(実視野)F.O.V.(Field Of View)は、次式で表せる。
    F.O.V.=接眼レンズの視野数/対物レンズの倍率 (mm)

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ジー バンド
G band

  • 染色体をトリプシン、尿素で前処理後ギムザ染色した際みられるバンド。

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収差
Aberration

  • 理想的な結像と、光学系を通った実際の結像とのズレを指す。収差の無い結像、つまり理想結像の条件とは、次の3点を全て満たさなければならない。
  • 理想結像の条件

    (i)ある1点から発し結像光学系を通過した全ての光線は1点に収束する。
    (ii)光軸と垂直な同一平面にある各物点に対応する像点は同一平面上に存在する。
    (iii)光軸と垂直な同一平面にある物体平面形状と像平面形状は相似の関係にある。



    しかし、実際の光学系では理想結像の条件を厳密に満足することは非常に困難であり、結像性能を乱す「収差」が存在することになる。

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収差の分野
Aberration type

  • 結像性能を乱す収差は、下図の様に分類される。

    ザイデル収差=「点像のひろがり」+「像面の曲がり」+「形状の歪み」
    結像性能を乱す収差
    上記(1)から(3)は理想結像の条件(i)に反する「点像のひろがり」、(4)は(ii)に反する「像面の曲がり」、(5)は(iii)に反する「形状の歪み」を表すものとなる。また、(6)、(7)は光学系に使用されるガラス材料の特性によって生じる、像の「色にじみ」を表す。なお、「点像のひろがり」については、回折の影響も含めるために、光を「波」として考えその位相までも考慮する「波面収差」と呼ばれる表現方法でも表す場合がある。

    (1)球面収差とは
    軸上物点から出た光線がレンズに入射した時、開口数(N.A.)の大きい光線ほど強く屈折され、理想結像位置からずれて光軸と交わる。この様に軸上光線で開口数(N.A.)の差によって結像位置が異なる収差を「球面収差」と呼ぶ。(「球面収差」は開口数(N.A.)の3乗に比例する。)

    対物レンズでは開口数(N.A.)が大きくなるほど解像力が上がると言われるが、球面収差は悪化する傾向にある。オリンパスでは高い設計及び製造技術により、高開口数(N.A.)でも良好な光学性能を有している。
    球面収差
    球面収差

    (2)コマ収差とは
    球面収差が十分小さく補正されていても、軸外物点から出た光線は像面上の1点に集まらず、彗星のように尾を引いた非対称なボケを作ることがある。これを「コマ収差」と呼ぶ。
    コマ収差
    コマ収差

    (3)非点収差とは
    球面収差とコマ収差が補正されたレンズでも、軸外物点の像が1点に集まらずに同心円方向にある線分の像と放射状方向にある線分の像に分離することがある。これを「非点収差」と呼ぶ。非点収差があると、フォーカス位置の前後で縦、横に点像のボケ方が変わる。
    非点収差
    非点収差

    (4)像面湾曲収差とは
    光軸に垂直な平面にある物体の像面は、必ずしも光軸に垂直な平面とはならず、一般には湾曲した面となる。この現象を 「像面湾曲収差」と呼ぶ。像面湾曲収差があると視野周辺に行くに従い像位置がずれていくので、像の中心でピント合わせをすると像の周辺がボケてしまう。周辺まで良好な像を得るためには、この収差を十分補正する必要がある。

    (5)歪曲収差とは
    物体平面上の形状と像面での形状が相似形とはならない現象を「歪曲収差(ディストーション)」と呼ぶ。歪曲収差があると下記に示すように正方形の像がたる型や糸まき型となる。
    歪曲収差
    歪曲収差とは

    (6)色収差とは
    光学系に使用するガラスは、各波長により屈折率が異なる特性を有している。それにより各波長毎で焦点距離が異なることとなり、結像位置のズレが発生する。この現象を「色収差」と呼び、光軸上での軸方向でのズレを「軸上の色収差」(縦色収差とも言う)、像平面上でのズレを「倍率の色収差」と区別して呼ぶこともある。当社では多種に渡るガラスを用いて色収差を良好に補正している。特にアポクロマート(MPlanApo)では青紫色(g線: 波長435nm)から赤色(C線: 波長656nm)までの広範囲にわたり色収差除去を実現している。

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受容体
receptor

  • 細胞膜上にあって外来の物質を認識し、これと特異的に結合することにより細胞に応答を誘起するような構造。ホルモンはそのホルモンに対する受容体を持っている細胞にだけ作用することができる。

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スクリーニング
screening

  • ふるい分けすること。選別、選別検査。ゲノムから目的の遺伝子を探すことや、新薬の候補となる化合物を選択する、など。

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ストレスファイバ
stress fiber

  • 細胞内でみられるマイクロフィラメント(アクチン繊維)の束。張力を発生させる。蛍光標識ファロイジンで染色することで蛍光観察できる。

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スライスパッチ
patch-clamp recording in brain slice

  • 脳の神経を研究する場合、神経細胞は複雑なネットワークをつくっているが、なるべくこれを壊さない様に切り出した材料を使ってパッチクランプを行いたいことから、厚い(数100μm)切片をつくる。ステージ固定の正立型顕微鏡、水浸対物レンズ、組織浸透性のよいIR-DICにより観察する。

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セカンド メッセンジャ
second messenger

  • 2次情報伝達物質。細胞膜にある受容体に神経伝達物質など情報伝達物質(1次情報伝達物質)が作用したとき細胞内に情報を伝える伝達物質として新に作られる因子のこと。カルシウムイオン、cAMP(サイクリックAMP)、cGMP(サイクリックGMP)、IP3(イノシトール3リン酸)などがある。

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赤外光観察
infrared applications

  • 生体試料を通過する光の散乱は長い波長ほど少なくしたがって赤外光は試料透過性が大変よい。近赤外光を利用した微分干渉顕微鏡(IR-DIC)で厚い脳スライスなどが観察されている。赤外光対応のTVカメラ(CCDカメラ)が必要になる。

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染色体
chromosome

  • DNAが凝縮したものでタンパク質やRNAとの複合体。細胞分裂時に見られる構造。生物種により染色体数は異なる。ヒト2倍体細胞(普通の細胞)では22対の常染色体と1対の性染色体、計46本の染色体がある。

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線虫
nematoda( C. elegans)

  • 土壌中から得られた回虫の仲間。体長1.5mmで卵・成虫とも半透明で顕微鏡観察に適している。

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総合倍率
Total magnification

  • 目視での観察

    目視での総合倍率
    M(観察)=M(ob)×M(oc)

    目視観察時の実視野
    接眼部での観察時の実視野=接眼レンズの視野/M(ob)
     
  • モニタでの観察

    モニタでの総合倍率
    M(モニタ観察)=M(ob)×M(TV)×モニタ倍率

    モニタ観察時の実視野
    観察時の実視野=CCDサイズ/(M(ob)×M(TV))

    表1:カメラアダプタと倍率
    カメラアダプタ(撮影レンズ) 倍率
    U-TV1×-2+カメラマウントアダプタ 1X
    U-TV0.63XC 0.63X
    U-TV0.5XC 0.5X
    U-TV0.35XC-2 0.35X
    U-TV0.25XC 0.25X

    表2:撮像素子サイズ
    形式 対角 長辺 短辺
    1/3型 6.0mm 4.8mm 3.6mm
    1/2型 8.0mm 6.4mm 4.8mm
    2/3型 11.0mm 8.8mm 6.6mm
    上記の表は一般的な撮像素子サイズのものです。計算にあたってはご使用のカメラの撮像素子サイズをご確認ください。

    表3:撮像素子サイズとモニタ倍率の関係
    撮像素子サイズ モニタサイズ(対角)
    17型 19型 21型
    1/3型 72.1X 80.3X 90X
    1/2型 54.1X 60.2X 67.5X
    2/3型 39.3X 43.8X 49.1X
    上記の表は一般的な撮像素子サイズのものです。計算にあたってはご使用のカメラの撮像素子サイズをご確認ください

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組織
tissue

  • 多細胞生物を構成する細胞は分化し、機能が専門化し分業化が起こるので、細胞の単なる集合ではなく機能と構造を備えた有機的な集団をつくる。これを組織という。動物の組織は上皮組織・結合組織・筋肉組織・神経組織にわけられている。

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ゾウリムシ
Paramecium

  • 原生動物繊毛虫の仲間。生理学・遺伝学・細胞学の研究材料としてよく用いられる。大核、小核がある。繊毛運動により遊泳する単細胞動物で、大きさは約200μm。

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タ行

対物レンズ
objectives

  • 対物レンズは光学顕微鏡の基本的な性能・機能を決定付ける最重要光学ユニットである。そのため、様々なニーズやアプリケーションに対して最適な光学性能・機能(これがそのまま光学顕微鏡にとっての最重要性能・機能となる)を提供すべく、目的に応じた実に様々な対物レンズが用意されている。
    対物レンズは基本的に、使用用途・観察法・倍率・性能(収差補正)によって大別される。中でも、収差補正の考え方による分類は顕微鏡対物レンズの特徴的な分類である。
     
  • 1. 用途による分類
  • 光学顕微鏡の用途は、「生物用」と「工業用」の2つに大別される。対物レンズの分類においても、この類別が適用でき、「生物用」対物レンズと「工業用」対物レンズに分けられる。生物用途における一般的な標本は、スライドガラス上に生物標本が置かれ、上からカバーガラスで封止し固定されている。生物用対物レンズは、このカバーガラスを通しての観察に用いられる為、カバーガラスの厚さ(一般的に0.17mm)を考慮した光学設計が施されている。一方、工業用途においては、金属鉱物切片や半導体ウエハ、電子部品などのサンプルに何も被せない状態で観察することが一般的である。そのため工業用対物レンズは、対物レンズ先端とサンプルの間にカバーガラスがない状態に最適化された光学設計がなされている。
  • 2 観察方法による分類
    光学顕微鏡には使用用途に応じて、様々な観察法が開発され用意されている。この観察法に応じた専用の対物レンズが開発されており、この観察法により対物レンズの分類がされている。例えば、「位相差用対物レンズ(内部に位相板を内蔵している)」、「微分干渉用対物レンズ(レンズ内部歪を小さくし、微分干渉プリズムとの光学特性組合せを最適化している)」、「蛍光用対物レンズ(近紫外域の透過率が改善されている)」、「偏光用対物レンズ(レンズの内部歪を極めて小さくしている)」、「位相差用対物レンズ(内部に位相板を内蔵している)」などがある。
     
  • 3 倍率による分類
    光学顕微鏡はレボルバと呼ばれる部位に対物レンズを複数装着して使用される。これを利用して、レボルバを回転させるだけで低倍率から高倍率へのスムーズな倍率変換ができるよう、倍率の異なる対物レンズを組み合わせて装着することが一般的である。このため、対物レンズには低倍率域(5倍、10倍)、中倍率域(20倍、50倍)、高倍率域(100倍)の中から一般的なラインアップが構成されている。このなかで、特に高倍域においては、高解像を得るために対物レンズ先端と標本の間にイマージョンオイル・水などの屈折率の高い専用液体を充填して観察する液浸用対物レンズも用意されている。また、特殊用途用に極低倍率域(1.25倍、2.5倍)や超高倍率域(150倍)などもある。
     
  • 4 収差補正と対物レンズの分類
    色収差補正による分類(等級)
    軸上色収差の補正の程度に応じて、対物レンズはアクロマート、セミアポクロマート(フルオリート)、アポクロマートの3つの等級に分けられます。ラインアップ上でも順に普及クラスから高級クラスとなり価格にも差がある。
    軸上の色収差補正において、C線(赤:656.3nm)ならびにF線(青:486.1nm)の2色に対して補正がなされている対物レンズをアクロマート(Achromat)と呼ぶ。この場合、2色以外の光(一般的に紫のg線を対象とする:435.8nm)は、ピント面よりも離れた面でフォーカスを結ぶ。このg線のことを2次スペクトルと呼び、この2次スペクトルまで補正を良好に行った対物レンズが、アポクロマート(Apochromat)と呼ばれる。つまり、アポクロマートは3色(C線、F線、g線)にて軸上の色収差補正がされている対物レンズとなる。下記図にアクロマートとアポクロマートの色収差補正の違いを波面収差で示す。これを見るとアクロマートに対してアポクロマートがより広い波長範囲に対して収差補正がなされているのが分かる。
    色収差補正の比較(アクロマートとアポクロマート)
    色収差補正の比較(アクロマートとアポクロマート)

    一方、この2次スペクトル(g線)の色収差補正の程度が、アクロマートとアポクロマートの中間に設定されている対物レンズは、セミアポクロマート(あるいはフオリート:Fluorite)と呼ばれている。

    顕微鏡対物レンズの光学設計においては、一般的にN.A.が大きくなればなるほど、また、倍率が大きくなればなるほど、2次スペクトルの軸上色収差補正が難しくなってくる。更に軸上色収差以外の諸収差ならびに正弦条件の補正も十分に行わなければならず、その難しさはさらに増す。そのため、高倍率のアポクロマート対物レンズほど、収差補正のためにより多くのレンズが必要となり、15枚を超えるレンズで構成されている対物レンズもある。2次スペクトルを良好に補正するには、構成されるレンズのうち、パワーの強い凸レンズに2次スペクトルまでの色分散が少ない「異常分散ガラス」を適用するのが有効である。この異常分散ガラスの代表的なものが蛍石(CaF2)だが、この蛍石は加工性に難があるものの、古くからアポクロマート対物レンズに採用されている。昨今、この蛍石の異常分散性に非常に近い特性をもつ光学ガラスが開発され、加工性も改善されたため、蛍石に替わって主流として用いられるようになってきている。

    像面湾曲収差補正による分類

    顕微鏡の使用において、写真撮影やテレビカメラでの撮像が一般的となってきており、全視野にわたり像が鮮鋭であることが要求されるようになってきている。そのため、像面湾曲収差を良好に補正したプラン(Plan)対物レンズが主流として使われるようになってきている。像面湾曲収差を補正するためには、ペッツバール和が0になるように光学設計を行うが、特に高倍率対物レンズになるほどその補正が難しい傾向にある。(他の諸収差の補正との両立が難しい)そのような補正が施された対物レンズでは、先端群におけるより強い凹パワー形状ならびに最後群における強い凹パワーの配置構成がレンズタイプ上の特徴となっている。

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対物レンズの焦点距離と倍率の関係
Focal length manigication objective

  • UIS2/UIS 対物レンズの倍率は、結像レンズの焦点距離(180mm)に対応する値を示している。
    瞳径(φ)=2(N.A.)f  N.A.:対物レンズのN.A. f:対物レンズの焦点距離

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対物レンズの瞳径とスポット径
Pupil diameter spot diameter

  • 対物レンズの瞳径とは、対物レンズの後側から入射することができる軸上平行光束の最大径を指す。
    以下の式で計算できます。
    瞳径
    スポット径
    瞳径とスポット径
     
  • 対物レンズによるスポット径
    対物レンズの後側から均一な強度分布を持ったビーム光を入射させると、対物レンズが全くの無収差であっても、光の回折現象により、ある大きさを持ったスポットになる。スポット径の目安は以下の式で計算できる。

    注:レーザ光のように強度分布を持つ光源を使う時は、上式で表せるスポット径にはならない。

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対物エバ
objective-based TIRFM

  • 開口数の大きな(NA 1.4)対物レンズを用い、対物レンズを通して全反射させる光を導入する。標本を乗せたカバーグラス表面にエバネセント場を得る。

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多光子励起
multiphoton excitation

  • たいていは2光子励起(two-photon excitation)のこと。3光子励起(three-photon excitation)により脳内のセロトニンを観察している例がある。組織浸透性のよい長波長の励起光(倍波長あるいは3倍波長)を利用できる。多光子励起はいちどに複数の光子のエネルギーを吸収する必要があり、光子密度の高い焦点面でしか起こらないので、共焦点ピンホールを使わずに、焦点面の光学的スライス像が得られる。

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炭疽菌
anthrax

  • 炭疽症の原因となる土壌中にいる細菌。家畜やヒトに感染する。テロにも利用された危険な病原体。1×5-10μmのグラム陽性桿菌。病原性がはじめて証明され、弱毒性の菌を用いる弱毒生菌ワクチンがはじめて開発された細菌。

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ダイオー
DiO

  • 細胞膜を生染色する蛍光色素で神経細胞の突起の追跡に利用する。ex484nm/em501nmでB励起で観察する。

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大腸菌
E. coli

  • Escherichia coli。遺伝学でよく利用される長さ2-3μmの桿菌でグラム陰性。DNA組み換え体をつくるのに利用される。鳥類、哺乳類の大腸に生息。

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ダピ
DAPI

  • 核・染色体のDNAを染める蛍光色素。明るいのでもっともよく利用されている。ex360nm/em460nmでUV励起で観察する。

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チューブリン
tubulin

  • 微小管の構成タンパク質で管状に重合する。断面では1周で13個のチューブリンが並んでいる。

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ティー細胞
T cell

  • B細胞が抗体産生細胞になるのを補助する。免疫に関与するリンパ球で胸腺由来。

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ディーアイシー
DIC

  • diff erential interference contrast(微分干渉コントラスト)。偏光を利用し微小に横ずらしさせた2つの波を互いに干渉させ、無色透明物体の位相変化のある部分にコントラストをつける。立体感のある像が得られるが、プラスチックディッシュが使えない。

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電気生理
electrophysiology

  • 生理・薬理の分野で神経・筋肉細胞の電気的活動状態を微小ガラス電極を細胞に刺したりパッチクランプ法により測定する。極微弱電流を増幅するアンプ、電気刺激装置などを使用する。

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電子顕微鏡
electron microscope

  • 光の代わりに電子線をあて拡大観察する顕微鏡。電子線は可視光に比べ波長がずっと短いので分解能が格段に高い(0.3nm程度)。透過型と走査型がある。超高倍率になるが観察は真空中で行う。

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同焦点距離
Pafocalizing distance

  • 同焦点距離とは、焦点を合わせた時の対物レンズの胴付き面から物体面までの距離を指す。UIS2/UIS光学系の対物レンズでは同焦点距離は45mmに設計されている。
    作動距離と同焦点距離
    作動距離と同焦点距離

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ナ行

2光子励起
two photon excitation

  • 光子のエネルギーは波長に反比例する。たとえば350nmで励起される蛍光色素に2倍波長の光をあてた時、光子のエネルギーは半分なので通常は励起されないが、パルスレーザで光を強く集光し光子密度を非常に高くした時、光子2個分のエネルギーで蛍光色素を励起できる。

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脳スライス
brain slice

  • 小脳や海馬の研究で、立体的な構造をなるべく保持した状態で電気生理的な実験を行いたいことから数100μm厚程度のスライスとして顕微鏡下で実験を行う。

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ハ行


embryo

  • 受精卵が分裂を繰り返し成長して胎児になるまでの間。

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バクテリア
bacteria

  • 細菌のこと。単細胞生物で幅0.2 ~ 10μm、外側に細胞壁がある。球状・桿状・ラセン状などの形態を示す。グラム染色により陽性・陰性に分けられる。核はなくDNAは直接細胞質中にある。

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パッチクランプ法
patch clamp recording

  • 先端を細くしたガラス微小電極を細胞膜に押しあて電気的に絶縁シールをつくる。細胞内と電極内の間で膜を通して個々のイオンチャンネルを流れる電流を測定する。電極下の膜を破ると細胞全体と電極内がつながり、細胞全体について電流の測定ができる(ホールセルレコーディング)。

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波面収差
Wavefront aberration

  • 収差は光を「光線」として捉えた「幾何光学」として古くから用いられてきたものである。顕微鏡光学系では、波長単位の微小な標本を扱うことが多いため、回折の影響も含めた「波」として考え、その波の位相まで扱う波動光学を用いることがある。
    その際の評価方法としては「波面収差」を使用する。下図に示すとおり、顕微鏡光学系において理想結像条件を満足した場合、標本の1点から出た球面形状の波面(球面波)は理想的な対物レンズによって平面波に変換される。平面波は理想的な結像レンズにより、球面波に変換され像面で1点に集光されることになる。これらの波面を「理想波面」と呼ぶ。
    理想波面図
    理想波面

    次に、実際に収差を有する光学系での波面での振る舞いを示す。

    このように、理想波面と実波面とのズレ(隔たり具合)を「波面収差」と呼ぶ。
    波面収差図
    波面収差
     

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ヒーラ細胞
HeLa cell

  • ヒト子宮頚部がん由来の細胞。1951年に子宮頚部がんで亡くなったHenrietta Lacksの腫瘍から分離し株化されたことから名前の頭文字が細胞株の名前になった。

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ビー細胞
B cell

  • Bリンパ球ともいう。抗体産生細胞の前駆細胞。生体内で抗原を見つけるとT細胞の助けをかりて抗体産生細胞になる。

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微小管
microtuble

  • チューブリンが1周13個で円筒状に会合して微小な管を構成している。太さ20 ~ 25nmでダイニンと共に細胞分裂の際の紡錘体や繊毛の中、神経の突起の軸索輸送などの細胞運動に関与する。

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ピーエイ-ジーエフピー
PA-GFP

  • photo-activatable GFP(光活性化GFP)。紫外から紫の波長の光が照射されると活性化し蛍光を発生するようになる蛍光タンパク質。Kaedeのような蛍光色が変わるものと比べ、活性化前に見えないのが難点。

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ピーエイチ
pH

  • 水溶液中の水素イオン濃度を示す。pH7.0は中性、それより低いと酸性、高いとアルカリ性。0-14の値をとる。

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ピーティーケイツー細胞
PtK2 cell

  • ラットカンガルー腎臓由来の株化細胞。体長は約40cmの有袋類。学名はPotorous tridactylis(potoroo、和名ハナナガネズミカンガルー)。細胞名は学名の"P"と"t"、Kidney(腎臓)の"K"からつけられた。PtK2細胞は薄く広がるので微分干渉や位相差では見づらいが、蛍光標識した微小管やアクチン繊維など細胞骨格構造はよく見える。

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ファロイジン
phalloidin

  • タマゴテングタケの毒。アクチン繊維(マイクロフィラメント)と特異的に結合して障害を起こす。細胞内のアクチンの蛍光観察に利用される。

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フィッシュ
FISH

  • fluorescence in situ hybridization。蛍光標識した遺伝子またはその一部を染色体中にあるDNAの中にもぐり込ませその位置を知る方法。染色体の数の異常を見つける場合にも利用する。

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フォトアクチベーション
photoactivation

  • 光により活性化させることで、代表的なものとしてケージド試薬がある。

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フォトブリーチング
photobleaching

  • 蛍光色素が強い励起光を受けることで、分子に不可逆的な変化が起こり蛍光が出なくなること。

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フラップ
FRAP

  • fluorescence recovery after photobleaching(光退色後蛍光回復)の略語。蛍光染色された細胞膜や細胞質中の蛍光タンパク質の一部を強いレーザ照射により退色させ、その後退色した部分の蛍光強度が回復するのを測定する。回復の速さや程度を比較する。

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フラ ツー
Fura-2

  • もっともよく利用されているカルシウムイオン濃度測定用蛍光色素。2波長励起(340/380nm)、1波長蛍光(510nm)タイプでレシオ法により行う。

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フリップ
FLIP

  • fluorescence loss in photo-bleaching(光退色蛍光減衰)の略語。蛍光染色された細胞膜や細胞質中の蛍光タンパク質の一部を退色させ、隣接するまわりの蛍光強度を測定する。蛍光色素が自由に移動できれば、退色を繰り返すことで全体の蛍光がほとんど消えてしまう。

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フルオ スリー
Fluo3

  • カルシウムイオン濃度測定用蛍光色素。1波長励起(490nm)1波長蛍光(520nm)タイプでレーザ顕微鏡やケージドカルシウムの実験で利用される。

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フレット
FRET

  • fluorescence resonance energy transfer(蛍光共鳴エネルギー移動)の略語。ドナー(供与体)蛍光色素の蛍光波長域とアクセプタ(受容体)蛍光色素の励起波長域が重なるような組合わせで、ドナーを励起したとき2つの色素が近接していると、ドナーが吸収した光エネルギーは蛍光として消費されずアクセプタ色素に移動し、アクセプタ色素の蛍光として消費される。2つの蛍光強度の比を計測する。

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プラナリヤ
Planaria

  • 偏形動物に属している。背・腹方向に偏平で頭部には左右に突出部がある。切断しても再生してくる。発生学などで利用される。

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プリズムエバ
prism-based TIRFM

  • プリズムに光を導入し全反射面に生ずるエバネセント光を利用して蛍光観察する。標本をプリズムに載せる必要がある。

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分解能
resolution

  • 分解能とは、物体面での分解し得る最小の間隔を指す。開口数(N.A.)が大きいほど、分解能は良くなる。一般的に、分解能の目安として次の式が用いられる。
    Reyleighの式:ε=0.61×λ/N.A.

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プローブ
probe

  • 日本語では探針。測定試料の特定部位に近づけて、特性を調べるための装置の一部で、針状のことが多い。蛍光色素や標識DNA断片も、針ではないが意味的には同じなので、プローブという。

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べん毛
flagella (bacterial)

  • バクテリアのべん毛は、フラジェリンというタンパク質がラセン状に重合していて、体表に生えている(直径15 ~ 20nm)。これを回転させて泳ぐ。かな書きする場合が多い。べん毛は2種類ありもう1つは、精子や真核生物の鞭毛(べんもう)で微小管-ダイニン系で運動の力を得ている。

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マ行

マイクロフィラメント
microfilament

  • アクチンが繊維状に重合したもの(F-アクチンとも呼ばれる)。細胞内ではストレスファイバーと呼ばれる束を形成したり、ミオシンと協同して細胞運動のための力を出す働きをする。

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マルチカラー フィッシュ
multicolor FISH

  • 2種類以上の蛍光標識を用いるFISH。同時に2 ヶ所以上の遺伝子の位置が検出できる。また一度に全染色体について数的異常や構造の異常を検出する手法もある。

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ミトコンドリア
mitochondria

  • 細菌・ラン藻を除くすべての動植物の細胞にあるオルガネラで、幅0.5μm、長さは色々ある。DNAを持つ。生命活動のエネルギー源であるATPはここでつくられる。MitoTrackerやrhodamine123で蛍光染色できる。

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ミト トラッカー
MitoTracker

  • ミトコンドリアを生きたまま染色できる蛍光色素。MitoTrackerRed、MitoTracker Orange、MitoTracker Green FMなど色のバリエーションがある。

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無限遠補正光学系
UIS optics

  • 無限遠補正光学系では標本から対物レンズを経た光線は対物レンズでは結像せずに、無限遠の平行光束として結像レンズに入り、結像レンズによって中間像を結ぶ。一方、有限遠補正光学系では、対物レンズ単体で中間像を結ぶ。
    無限遠補正光学系と有限遠補正光学系の原理図
    無限遠補正光学系と有限遠補正光学系の原理図
     
  • 無限遠補正光学系のメリット
    無限遠補正の光学システムは対物レンズと結像レンズの間が平行光線となっているため、原理的に次のような メリットがある。
    ■対物レンズと結像レンズの間隔を変えても倍率が変わらない
    ■対物レンズと結像レンズとの間に平行平面板を入れても、同焦点が保たれ像ズレが起こらない
    ここに挙げた2つのメリットは、顕微鏡光学システムを構成する上でとても大きなメリットになるため、従来から「無限遠補正光学システムは理想の顕微鏡光学システムである」と言われてきた。このメリットを最大限に活かすことができれば、対物レンズと結像レンズとの平行光束部分に中間鏡筒を自由に出し入れすることにより、最適なシステムの 構築が可能となる。 *UIS2/UIS対物レンズの同焦点距離は45mm、結像レ ンズの焦点距離は180mm。
    無限遠補正光学系のメリット
    無限遠補正光学系のメリット

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ラ行

レシオ法
ratio measurement

  • 蛍光法によるカルシウムイオン濃度やpH測定で利用される。2つの波長で蛍光強度を計るとその比(レシオ)の値がイオン濃度に応じて変化する。色素の流出や細胞の収縮により、色素濃度が濃くなったり薄くなったりする影響を取り除くことができる。

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ロダミン ファロイジン
rhodamine phalloidin

  • キノコの毒であるファロイジンはマイクロフィラメント(アクチン繊維)と特異的に結合する。ファロイジンをロダミンで蛍光標識したもの。細胞をホルマリン固定し、染色する。マイクロフィラメントの束(ストレスファイバ)が観察できる。他にアレクサ・フルオールシリーズやFITC標識したファロイジンがある。蛍光色素のロダミンはtetramethylrhodamineのこと。

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