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2019年 6月 19日

ライフサイエンス分野における研究の信頼性と効率の飛躍的な向上に貢献する高性能対物レンズシリーズ「X Line」を新発売

オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)は、トレードオフの関係にある光学性能の基本要素、開口数(以下NA)・フラットネス・色収差補正の3要素全てを高いレベルで実現し、研究の信頼性と効率の向上に貢献する新しい高性能対物レンズシリーズ「X Line」と、プランアポクロマート対物レンズとして世界初のNA1.5を有する超解像/TIRF※2観察用高解像対物レンズ「UPLAPO-HR」を、2019年7月1日から全世界で発売します。

当社は100年にわたって積み上げてきた経験・ノウハウを活かし、独自の新しいレンズ研磨技術を開発しました。これにより従来加工が難しかった形状のレンズが製造可能になり、この度発売する高性能対物レンズシリーズ「X Line」では画質を飛躍的に向上しています。対物レンズは顕微鏡の性能を決定づける非常に重要な要素であり、「X Line」を顕微鏡システムに搭載することで観察視野周辺部まで明るく高画質な信頼性の高い画像取得が可能になります。例えば細胞のカウントや、細胞内のタンパク質分布の把握など定量的なデータ取得において信頼性の向上に貢献します。さらに染色した細胞組織の色が重要な判断基準となる病理研究においては忠実な色再現性により研究の信頼性を高めます。視野全体で高画質な画像を得られるため、複数の画像を貼り合わせて組織の全体像を取得する際には撮影枚数が削減され、研究の効率向上が期待できます。

また「X Line」と同時に世界初のNA1.5を実現し、ナノオーダーの観察に適した超解像/TIRF観察用高解像対物レンズ「UPLAPO-HR」も発売します。高いNAにより、弱い励起光でも明るく高精細に観察することが可能です。オリンパスは光学技術とデジタル画像処理技術により、ユーザーの研究効率の向上と信頼性の高い観察をサポートしていきます。

※1  一般的な液浸油(屈折率ne=1.518)を浸液に用いるプランアポクロマート対物レンズとして世界初。2018年11月時点。(自社調べ) 
※2 全反射照明蛍光観察。励起光をカバーガラス表面で全反射させることで、カバーガラス表面の分子を分子単位で蛍光観察が可能。

●高性能対物レンズシリーズ「X Line」の主な特長

  • 最大NA1.45により、明るく高精細な画像を提供
  • フラットネスの向上により、従来比約1.7倍※3の面積を高精細に観察可能
  • 400~1000nmの広波長域で色収差を補正し、正確なマルチカラー蛍光観察と、色再現性の高い染色組織標本の観察を実現

●超解像/TIRF観察用高解像対物レンズ「UPLAPO-HR」の主な特長

  • 世界初NA1.5とフラットネスの向上を同時に実現し、高精細な観察が可能

※3 「X Line」シリーズの平均値

高性能対物レンズシリーズ「X Line」
高性能対物レンズシリーズ「X Line」

UPLAPO-HR
超解像/TIRF観察用高解像対物レンズ「UPLAPO-HR」

●高性能対物レンズシリーズ「X Line」の主な特長の詳細

「X Line」はNA、フラットネス、色収差補正を高いレベルで実現しているため、視野周辺まで明るく高精細で信頼性の高い画像が取得できます。「X Line」を搭載した顕微鏡システムでは、高いNAにより、弱い励起光でも明るく高精細に観察することができます。そのため蛍光褪色や生細胞への光毒性を最小限に抑え、長時間ライブセルイメージングをサポートします。

蛍光顕微鏡によるNG108-15細胞の画像比較
蛍光顕微鏡によるNG108-15細胞の画像比較
(左:従来の20倍対物レンズ、右:「X Line」の20倍新対物レンズ)

さらにフラットネスを向上したことで、従来比約1.7倍の領域でボケのない高精細な観察が可能です。複数の画像を貼り合わせて組織の全体像を取得する際には撮影枚数を大幅に削減し、研究の効率向上が期待できます。

また紫から近赤外(400~1000nm)の広波長域で色収差を補正することで、従来難しかった405nmの励起波長を含むマルチカラー蛍光観察において、深さ方向の位置関係を正確にとらえ研究の信頼性向上に貢献します。

共焦点レーザー顕微鏡によるHeLa細胞核内の染色体検出画像の比較
共焦点レーザー顕微鏡によるHeLa細胞核内の染色体検出画像の比較※4
(左:従来の60倍対物レンズ、右:「X Line」の60倍新対物レンズ)
「X Line」では、染色体が正しく細胞核内で検出されている。
シアン:細胞核、緑:17番染色体セントロメア、赤:18番染色体セントロメア

また組織の色合いが重要視される病理研究において、色再現性の良い観察が可能です。

HE染色組織標本の明視野画像比較
HE染色組織標本の明視野画像比較
(左:従来の20倍対物レンズ、右:「X Line」の20倍新対物レンズ)

●超解像/TIRF観察用高解像対物レンズ「UPLAPO-HR」の主な特長の詳細

「UPLAPO-HR」は、世界初NA1.5とフラットネスの向上を同時に実現し、高精細な観察が可能です。フラットネスの良い広視野観察で興味の対象を特定し、スムーズに超解像観察へ移行することができます。

スピニングディスク型共焦点超解像顕微鏡「SpinSR10」共焦点モードによる核膜孔複合体画像比較
スピニングディスク型共焦点超解像顕微鏡「SpinSR10」共焦点モードによる核膜孔複合体画像比較
(左:従来の60倍対物レンズ、右:「UPLAPO-HR」の60倍新対物レンズ)


※4HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/

 

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