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LCV110は安定的に最適化された環境で、高品質の長時間タイムラプスイメージングを可能にするシステムです。同時で最大8つのサンプルを、蛍光観察、微分干渉観察することができます。簡単で直感的なコンピュータ操作により、従来の煩わしいライブセルイメージングシステムの各種設定作業から開放されます。
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LCV110は、複数の細胞を並行して多次元タイムラプス (XY、Z、波長、時間、位置) で撮影し、操作が容易で設置環境にも左右されないサンプルの環境を維持し、細胞本来のダイナミックな姿を観察できる理想のタイムラプスイメージングを実現します。同時に複数の細胞を、種々の条件で観察でき、比較実験の精度が向上します。
インキュベーター内の細胞をイメージング
CO2インキュベーターと、光学顕微鏡を一体化。細胞の活性を維持したままで、長時間のタイムラプスイメージングが可能になります。LED照明はON/OFFの応答性が良く、実際の撮影時のみ光を照射することが可能です。これにより、細胞への光毒性を最小限に抑えることができます。
8つのディッシュを一度に並行して観察
市販の35mmガラスボトムディッシュを8個同時にセットできます。同一の環境で細胞種/薬液/遺伝子操作など条件を変えて複数の実験が同時に行えるので、効率や精度を高めることができます。1つのディッシュ内の複数の細胞を指定して多次元タイムラプスが行えます。
長時間タイムラプスでピントズレなし
LCV110は対物レンズ格納部の温度を、インキュベーター部と同じ37℃に温度変化を最小限になるように制御して、ピントズレの原因となる温度変化を抑え、長時間タイムラプスにおけるピントズレを解消しています。
ストレスフリータイムラプス
タイムラプス顕微鏡システムの経験がなくても、操作画面で実験の設定が容易に行えます。従来のようなツマミ類などの操作は一切ありません。細胞の活性、ピントズレなどを気にして、つきっきりになる必要がありません。長時間タイムラプス観察が安心して行えます。ライブセルイメージングに必要な機材が一体化されていますので、従来のような煩雑な設備は不要です。
35mmガラスボトムディッシュ内の細胞を複数指定し、多次元タイムラプス観察をすることができます。トレイには35mmガラスボトムディッシュを8個装着することができるので8種類の実験を並行して行なうことができます。
優れた位置再現性
安定した高い位置再現性を保つ高性能電動ステージを搭載しています。
コントラストの高い微分干渉像
あらかじめ最適に調整してある光学系により、コントラストの高い微分干渉像を得られます。
明るくコントラストの良い蛍光画像
高NA対物レンズ (40×, NA0.95) により、微弱な蛍光を効率よく検出します。
ディッシュをセットしたら操作画面だけで各種設定ができます。装置につきっきりになる必要がないので安心して長時間タイムラプスを行なうことができます。
インキュベーターの内扉に設けられた小窓から、観察途中にピペットで直接薬液を注入し、薬液投与前後の変化をイメージングできます。扉を開けてディッシュを取り出す必要がないのでインキュベーター内の環境変化を最小限に抑えます。ソフトウェアの操作により開閉できる薬液投与専用トレイと専用ディッシュフタが用意されています。
対物レンズ | 40X (UPLSAPO40X相当 NA: 0.95, W.D: 0.18mm) (オプションで20X微分干渉対物レンズ, 10X位相差対物レンズ, 20X位相差対物レンズ, 40X位相差対物レンズいずれかと交換可能) | |
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中間変倍 | 0.5X /1X /2X 電動切換 | |
形態観察 (透過照明) | 光源 | 1 W LED (625 nm) |
観察方法 | 微分干渉 (DIC) (オプションで位相差対物レンズを選択した場合は位相差観察) | |
コンデンサー |
NA: 0.55, FS固定 (矩形), DICプリズム装着
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蛍光観察 (落射照明) | 光源 | 1W LED (470 nm, 530 nm) (オプションで590 nm, 625 nmを1灯追加可能) |
光源切り換え | LEDのOn/Off | |
励起切り換え | 電動6段切換 (UIS2ミラーユニット), ただし1箇所は透過DICで使用 | |
電動ステージ | 移動範囲 | 10 mm x 10 mm (ø35 mmディッシュ1個につき) |
積載可能標本 | ø35 mm ガラスボトムディッシュ8個まで | |
標本トレイ | 着脱式 (オートクレーブ滅菌可能, ø35 mm ガラスボトムディッシュ用専用ガラスフタ8個付属) | |
準焦部 | 対物レンズを電動で上下に移動 | |
操作方式 | JOGダイアルによる操作 | |
カメラ | 冷却CCDカメラ (室温 -25℃) | |
2/ 3インチ140万画素 (1392 x 1040) | ||
12ビット | ||
薬液投与補助機構 (オプション) | 指定ディッシュフタ自動開閉 | |
ガラス内扉の小窓より手動ピペッティング | ||
イメージングソフトウェア | MetaMorph | |
CO2インキュベーター | 設定温度 | 37 ºC |
温度変動幅 | +/ - 0.3 ℃ (周囲温度25 ℃, 無負荷時) | |
湿度 | 95% +/ - 5 % RH | |
CO2濃度 | 5 % | |
CO2濃度変動幅 | ± 0.15 % (周囲温度25 ℃、無負荷時) | |
マルチガスインキュベーター
CO2、N2/O2(オプション) | 設定温度 | 37 ºC |
温度変動幅 | ± 0.3 ºC (周囲温度25 ℃, 無負荷時) | |
CO2インキュベーター湿度 | 95 % +/ - 5 % RH | |
CO2濃度 | 5 % | |
CO2濃度変動幅 | ± 0.15 % (周囲温度25 ℃, 無負荷時) | |
O2濃度 | 5 to 18 %, 22 to 40 % | |
O2濃度変動幅 | ± 0.2 % (周囲温度25 ℃, 無負荷時) | |
使用環境条件 | 温度 | 15 to 28 ºC |
湿度 | 45 - 80 % RH | |
本体外形寸法 | 710 x 630 x 1170 mm | |
本体質量 | 150 kg | |
消費電力 | 本体 | 500 VA |
コントローラー + モニター | 400 VA |
アポトーシス
collagen-Iをコートしたディッシュ上で増殖させたヒト間葉系幹細胞のタイプラプス動画。細胞は、アポトーシス(またはプログラム細胞死)を誘導する高レベルのPI3キナーゼ阻害剤で処理。(この動画は、”2010
American Society for Cell Biology Cell Dance competition.”を受賞。)
画像データのご提供: Ms. Kira Henderson, PhD student, Department of Biology, Rennselaer Polytechnic Institute, Troy, NY. |
ハンチンチンタンパクの凝集をブロックする薬剤スクリーニング
GFPでタグ付けされたPC12細胞内のハンチンチンタンパクの凝集を、3種の濃度の凝集阻害剤とコントロールで比較したタイムラプスイメージ。分化培地添加(T=24h)後も発生が継続している。
画像データのご提供: Emily Mitchell, Leslie Thompson, Ph.D., University of California, Irvine |
ヒト神経幹細胞の2週間タイムラプスイメージング
GFP CAGをトランスフェクションしたヒト神経幹細胞の2週間の時間経過。 24時間後の培地を添加後も、発生は継続的に観察される。
画像データのご提供: Image data courtesy of: Chris Sontag, Brian J. Cummings, Ph.D., University of California, Irvine |
ヒト神経幹細胞運命に対する免疫抑制剤の効果比較
免疫抑制剤によるヒト神経幹細胞の増殖及び遊走分析。動画は、単一のディッシュから2X2のモンタージュを作成。薬剤添加後ピントは常に維持されている。
(3日毎に培地を添加)
画像データのご提供: Image data courtesy of: Chris Sontag, Brian J. Cummings, Ph.D., University of California, Irvine |
ヒト神経幹細胞の遊走追跡
追跡データは、15fpsで取得。
画像データのご提供: Image data courtesy of: Chris Sontag, Brian J. Cummings, Ph.D., University of California, Irvine |
Fucciを恒常的に発現するHeLa細胞※
Fucci(フーチ)Fluorescent Ubiquitination-based Cell
CycleIndicator)を使うと、G1期の細胞核を赤色に、S/G2/M期の細胞核を緑色にラベルすることができます。G1期からS期への移行を、赤色から緑色への変化(黄色を経由)として可視化することができます。
画像データのご提供: 理化学研究所脳科学総合研究センター 先端技術開発グループ 細胞機能探索技術開発チーム 阪上-沢野朝子先生、宮脇敦史先生 |
参照論文:
Asako Sakaue-Sawano, Hiroshi Kurokawa, Toshifumi Morimura, Aki Hanyu, Hiroshi Hama,Hatsuki Osawa, Saori Kashiwagi, Kiyoko Fukami, Takaki Miyata, Hiroyuki Miyoshi, Takeshi Imamura, Masaharu Ogawa, Hisao Masai, and Atsushi Miyawaki Visualizing Spatiotemporal Dynamics of Multicellular Cell-Cycle Progression Cell 132, 487-498, February 8, 2008)
HeLa細胞
極めて珍しい、核局在のGFPを発現する細胞が3回分裂する様子の連続的な撮影に成功しました。LCV110によるイメージングが細胞にダメージを与えないことを示しています。(データの採取期間:2日半の観察。蛍光標識:Histone
H2B-GFP)
画像データのご提供: 理化学研究所 脳科学総合研究センター 先端技術開発グループ 細胞機能探索技術開発チーム 阪上-沢野朝子先生、宮脇敦史先生 |
マウスのプルキンエ初代培養細胞
蛍光タイムラプスイメージングが難しい初代培養細胞の4日間の撮影に成功しました。(データの採取期間:2時間おき、4日間の観察。蛍光標識:GFP)
画像データのご提供: 理化学研究所 脳科学総合研究センター 神経分化修復機構研究グループ 神経細胞極性研究チームチームリーダー 見学美根子先生 |
上頚神経筋細胞(神経突起におけるミトコンドリア輸送)
LCV110で撮像したところ、従来の報告よりもミトコンドリアの動きが速く、動いているミトコンドリアの数の割合も多いことが判明した。(データの採取期間:3秒おき、90秒間の観察。)
画像データのご提供: 三菱化学生命科学研究所 分子加齢医学研究グループ 池上浩司先生、瀬藤光利先生 |
神経様細胞PC12
6日間の長時間タイムラプス撮影に成功した例です。PC12にGFPをtransfectionして、NGF(神経成長因子)刺激しました。(データの採取期間:2時間おき6日間の撮影。蛍光標識:GFP) |
※HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/
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