無限の未知のものへ開かれた態度を保つこと
アミノ酸類は、すべての生物の基礎的な構成単位の1つです。その結晶化プロセスは、肉眼では見えませんが、アミノ酸が優雅に拡大し、入り組んで予想もできないパターンで衝突する姿は、美しいものになります。
この絶え間なく変わり不確かな美こそが、Zhigang
Zhengさんをアミノ酸結晶の形と色に魅了したものです。Zhengさんによると、アミノ酸の目に見えない無限の宇宙を調べ始めると、私たち自身の認識能力は、取るに足らないもののように思うことがあるのだそうです。見えない世界に最高の畏敬の念を抱くと彼は言います。この魅惑の状態に根ざして、Zhengさんは受賞したタイムラプスビデオの中で、偏光ミラーと屈折光を利用して、ありのままのアミノ酸の結晶化プロセスを捉えました。
エビデントのイメージ・オブ・ザ・イヤー史上初のビデオ部門の最優秀賞は、アミノ酸の結晶化する様子をカラフルに描写した魅力的なビデオに対して、中国のZhengさんに贈られました。Zhengさんには作品に対して、オリンパスCX23正立顕微鏡またはSZ61実体顕微鏡のうち、本人の希望する方が贈呈されました。
史上初のビデオ部門の受賞、おめでとうございます!受賞したビデオは何を表しているのでしょうか?
私の受賞した作品は、アミノ酸の結晶化プロセスのタイムラプスビデオです。
エビデントのイメージ・オブ・ザ・イヤー、ビデオ部門最優秀賞:アミノ酸の結晶化プロセスビデオ、撮影者:Zhigang Zheng(中国)。
この画像について、個人的にどんな点が興味深いですか?
さまざまなアミノ酸が生み出す結晶の形と色、さまざまな混合比やさまざまな偏光、それらがみな違うのです。こうした絶えず変化して不確かな美しさ、それこそが私を魅了するのです。
このビデオはどのようにして撮像しましたか?
このビデオを作成するために、デジタルカメラを使って、ふさわしいチューブレンズを付けてから、それを顕微鏡の対物レンズに付け、サンプルを10倍に拡大し、ありのままの結晶化プロセスを捉えました。
このビデオを作成する際、何か困難がありましたか?
結晶の形と色の質を高めるために、グルタミンとアラニンを一定の割合で混合しました。その半面、この結晶自体には色がないのです。そこで、標本の上部と底部に偏光ミラーを加えました。結晶のさまざまな厚みと、さまざまな方向で異なる光の屈折率のおかげで、2つの偏光ミラーの角度を調整すると、通過する光の強度と角度を制御でき、これによって結晶中の色の変化を引き起こし、観察を促進することができました。
アミノ酸を応募作品の焦点として選んだ理由は何ですか?
最初にアミノ酸に触れたのは、大学にいたときです。生きている有機体を形作っている基礎的物質の1つですが、その結晶化プロセスを直接肉眼で観察することはできません。このプロセスを特定の方法で捉えたかったですし、このコンテストを通じて、世の中にその美しさを紹介したかったのです。
このビデオからどんなインスピレーションが得られましたか?
広大で無限の宇宙や、複雑で絶え間なく変わる自然界に直面すると、人間の認識能力はとても取るに足らないように思えます。私たちは謙虚さや畏敬の念といったものを保つ必要があります。これは自然界に対する敬意というだけでなく、知識の探求への持続的情熱や未知のものに対する開かれた態度でもあるのです。
あなたが初めて顕微鏡の使い方を習ったのはいつですか?
私が顕微鏡を使うようになったのは1980年代、医学を学んでいるときでした。顕微鏡写真の世界に入ったのは3年前です。
初開催のイメージ・オブ・ザ・イヤーのビデオ部門最優秀賞のZhigang
Zhengは、偏光ミラーと屈折光によりアミノ酸の結晶化プロセスのタイムラプスビデオを取得しました。
顕微鏡を使ってアートを作ろう、と最初に思いついたきっかけは何でしたか?
写真撮影は私の趣味なんです。生態学的な写真撮影に15年間触れています。特に蝶の生活史に興味があります。3年前、蝶の卵の微小構造をはっきり捉えるために、顕微鏡の写真撮影の世界に入りました。顕微鏡のレンズを通して、ミリメートルやマイクロメートルにもなる小さな標本を、5~20倍に拡大しました。私の前に現れた蝶の卵の構造は、トウモロコシの茎、王冠、ケーキなどのように見え、驚くほどの描写力だったのです。そのとき以来、顕微鏡の世界で、別次元の美に心を深く引き付けられました
各種の蝶の卵。撮影者:Zhigang Zheng。
顕微鏡のどんなところに魅力を感じますか?
私たちに別のドアを開け、肉眼で届く範囲を超えた世界に導き、別の次元による美を明らかにしてくれます。
原動力はどこから得ているのでしょうか?
自然界は複雑で絶え間なく変化していて、私たちが知覚を通して観察できるのは小さな部分です。顕微鏡の世界での現象に対して、認知の範囲を広げるには、ツールと技術に頼ることができます。未知のことは、常に魅力的です。
シダ植物の胞子。撮影者:Zhigang Zheng。
ご職業は何ですか?
医学の仕事をしています。写真撮影は私の趣味であり、私を引き付けるアートです。
現在、芸術的分野で取り組んでいることについて教えていただけますか?
中国の蝶100種ほどの全生活史を、卵から幼虫、さなぎ、成虫までも取得し記録してきました。
Evident Scientificとオリンパス顕微鏡について、どのような経験をお持ちですか?
エビデントは、一世紀続く技術遺産と共にある優れた光学機器製造企業です。オリンパスのUPlanSApoシリーズの対物レンズは良い選択です。その解像度は比較的高く、作動距離が短すぎず、そのため顕微鏡写真撮影の際の照明に貢献し、高品質な顕微鏡画像を生み出します。