検鏡法技術の進歩により、研究者たちは、大容量の画像データをコンピュータで計算できる強力なシステムを用い、がん細胞を3次元や4次元で観察することが可能になりました。この進歩は、細胞の構造や性質に対するより深い洞察を科学者たちに提供し、がん治療やがんのプレシジョンメディシンの向上を支援するなど、将来を見据えた利益を提供し得るのです。
学際的な協力体制は、がん治療におけるより完成度の高い像を提供します
オリンパスは、University of Southern California(USC)との間で、マルチスケールなバイオイメージングにおけるイノベーションパートナーシップを結びました。この協力体制は、オリンパスの技術を、USCの2つの名高い研究所であるLawrence J. Ellison Institute for Transformative MedicineとTranslational Imaging Center (TIC)の専門知識とを結びつけるものです。このUSCとオリンパスのイノベーションパートナーシップは、マルチスケール研究をプレシジョンメディシンを通したがんの予防、診断、治療へ進化させることに寄与することで人々の健康を維持するという我々のミッションをさらに前進させます。
発見を促進するためのツールや専門知識の共有
USCとオリンパスのイノベーションパートナーシップの関係者の中で効果的な協力体制を確保することで、TICとCenter for Applied Molecular Medicine(CAMM)は、先端を行くオリンパスのイメージングシステムを集約し、新しく作られた最高水準のEllison Instituteの建物への移転を進めています。
これらの研究グループをひとつ屋根の下に一体化することで、オリンパスのミッションとEllison Instituteのミッションを連携させ、学際的で患者中心かつ迅速な研究プログラムを通して、がんの治療と予防に変化をもたらします。革新的なオリンパスの技術を用い、臨床ケアをより患者に合わせて個別化したものにすることでさらなるケア向上に役立てることをゴールに、スタッフたちはがん細胞の性質、がんがどのように、またなぜ成長するのか、人体のシステム全体とどのように関わっているのかを研究することでしょう。
画像解析ツールとがんのプレシジョンメディシンとの関係に注目した、Ellison Institute、CAMM、TICのパートナーシップに関するビデオをご覧ください。
より深く理解するということは、臨床のレベルに応じて「何が可能かを再定義すること」です。
このパートナーシップは、国際的に著名なリーダー2人の科学的リーダーシップによって導かれます。 先駆的な腫瘍学者であり、生物医学の起業家でもあるDavid Agus医学博士、世界を牽引する光学・イメージング研究者であるScott Fraser博士です。両博士のそれぞれの研究チームが一丸となり、単一細胞、オルガノイド、腫瘍生態系の3次元および4次元イメージングを可能にするための新たな技術の開発の道を拓きつつあります。
「Translational Imaging Centerにおける私達の主たるゴールは、何が可能かを再定義することであると考えています」と、Fraser博士は言います。また、「このパートナーシップの下で行われている研究は、私達が、最良の臨床的洞察に必要な情報を利用して、正常な環境下にある細胞についての疑問を問いかけることを本当に可能にするのです」とも言います。
がんとともに生きる人達にとっての未来への希望
Agus博士は、希望ある予測を次のように示しています。「深部イメージングを使用するという考え方、画像からより詳細な内容を得て、何が起きているかをより深く理解するために利用するという考え方は、説得力があります。そして、そうであるなら、私達は、イメージング技術を通してより多くを学習する能力を持っているということになります。それは、イメージング技術とデータを解釈する能力との組合せであり、がんをどのように治療し理解するかに対する最大のブレークスルーの一つを生み出しつつあると私は考えています。」