11月の人気顕微鏡画像は、色とりどりの鮮やかな色が楽しめます。ものの色は見慣れていても、顕微鏡(と各種の染色剤)を使ってサンプルを眺めると、まったく違ったように見えることがよくあります。クマムシからマツまで、ミクロの世界は鮮やかな色彩であふれています。
2か月連続で最も人気を集めたのは、Global Image of the Year(IOTY)コンテストの受賞作品でした。この画像は2020年度IOTYのアジアパシフィック最優秀賞です。40種を超えるチョウの羽から収集した鱗粉を個別に撮影し、この見事なミクロの曼荼羅にまとめられています。
その他の受賞者を見たり、ご自身の画像を2022年度のコンテストに応募したりするには、IOTYページをご覧ください。
画像提供:XinPei Zhang氏(2020 IOTYアジアパシフィック最優秀賞受賞)。オリンパスVanox AH顕微鏡で撮影。
このサンプルはおいしそうに見えます。オレオクッキーのように見えるこの画像は、海藻に付着するArachnoidiscus japonicusケイソウをin situ観察したものです。このサンプルにはさまざまな角度のケイソウが見えます。ミルクに浸しておやつにすることはできませんが、人間以外の生物はおいしく食べられそうです。ケイソウは光合成が可能なので、水中の溶存二酸化炭素を酸素に変換します。そのため、無脊椎動物や小魚の主要な食物源になっています。
画像提供:@Macro Cosmos Microscopy。オリンパスAX70顕微鏡で、広域Z-スタックと明視野を使用して撮影。
北半球でよく見られるマツ(pine)は、マツ科のタイプ属Pinusの針葉樹または低木です。この木を加工した木材のことを「パイン(pine)材」ともいいますが、これは最もよく使用される木材の一種であるためです。マツの木を思い浮かべるとき、私たちは常緑樹の色を考えます。ところがこの画像の断面図は、桃色、紫色、青緑色を思わせます。
画像提供:UiM。オリンパスBH2顕微鏡で撮影。
多くの方は、このパズルを正しく並べてすぐに、この美しい蛍光画像が何か分かるでしょう。2019年度IOTYの米州最優秀賞作品では、染色されたクマムシのカラフルな内部構造を微細に鑑賞できます。クマムシはミクロのかわいさと回復力で皆に愛されていますが、この素晴らしい多色画像は人気者の微生物がパーティにでも行くように見えます。
画像提供:Tagide deCarvalho氏(2019 IOTY米州最優秀賞受賞)。
「この小さく光る緑藻はMicrasterias truncataといい、Lower Bostrazeの海に接した自然の土地で採取しました。ここは影響力のある植物学者John Ralfs(1807年–1890年)の生家とサンプリング地に近く、グレートブリテン島の最も南にある沼地です。Edward Gennerによる美しく正確な絵とともに、Ralfsが「The British Desmidieæ」を出版したのは1848年のことでした。M. truncataを描いた図版は、より大きな同類種であるM. rotataの幼形として示されています。Ralfsはこの誤りについて、1846年に初めてこれらの種を記述した著名なフランス人植物学者、Louis Alphonse de Brébissonとの文通の中で正しています。私はこの画像が、はるか昔にRalfsが観察した正にM. truncataの祖先かもしれないと考えるのが好きです(これは十分にあり得ます)。」
画像提供と説明:Dan, the Joy of Algae。オリンパスBX51顕微鏡を使い倍率100xで撮影。
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