オリンパスが顕微鏡の対物レンズの設計と製造を始めてから、すでに約100年が経過しています。広視野を持つ高品質な対物レンズを一貫して製造してきましたが、従来の製造方法では限界があり、最適な開口数、フラットネス、色収差補正とのバランス関係において、妥協せざるを得ませんでした。
最近まで、オリンパスではこれらの性能のの1つまたは2つにおいて優れた機能を持つ対物レンズを製造しており、お客様にはニーズに最も合ったものを選んでいただいていました。今回、オリンパスの最先端の技術により、このトレードオフの関係を過去のものとするブレークスルーがもたらされました。
X Line対物レンズ — 100年の歴史と最先端の光学技術が生み出す究極の対物レンズ
創業から約100年の歴史の中で培ったレンズ設計・加工技術と最先端のオプトデジタルテクノロジーを融合し、究極の対物レンズを生み出しました。この特許技術により、超薄型の凹レンズだけでなく、超薄型エッジを持つ凸レンズの製造も可能になりました。
これらのレンズの形状は、従来型のレンズよりもより広い角度での撮影を可能にします。また、非常に薄いため、NA、フラットネス、色収差補正の範囲がすべて向上するように、各対物レンズのハウジングにさらにレンズを追加して取り付けることが可能です。オリンパスのX Line対物レンズは、この新技術を用いて製造される最初の製品です。
この技術の詳細については、ホワイトペーパーをご参照ください。
「画期的な」光学・イメージング技術部門で授賞
Thomas Alva Edison(1847~1931)にちなんで名付けられたEdison Award(エジソン賞)は、公式サイトによると、毎年「新たな製品・サービスの開発、マーケティング、人間工学の設計、イノベーションにおける卓越性」を表彰するものとしています。
世界各国の3,000人を超えるリーディング企業の幹部で構成される審査員によって選ばれたオリンパスのX Line対物レンズは、応用技術 カテゴリーと光学イメージング技術のサブカテゴリーで、本年度のEdison Award(エジソン賞)金賞を授賞いたしました。
Edison Award(エジソン賞)の事務局長であるFrank Bonafilia氏は、「厳正な審査を経て、Edison Award(エジソン賞)の審査員たちはX Line対物レンズをカテゴリー内での最も優れた新しい製品・サービスの中でも際立った画期的なイノベーションとして表彰しました」と述べています。
X Line対物レンズは、なぜ金賞を受賞することができたのか
オリンパスの新たな製造技術によって、X Line対物レンズは革新的な改善を行い、従来の対物レンズと比べてより高い開口数(NA)、より良好なフラットネス、より広い色収差補正範囲を実現しました。
これらの進歩により、全視野を通して明るく高品質な画像を取得することができ、定量的データの取得と大きな貼り合わせ画像の作成速度の向上に貢献します。
(a) 従来品 PLAPON60XO(NA1.42)
(b) X Line UPLXAPO60XO(NA1.42)
このような高名な栄誉を賜ったことをとても嬉しく思います。1987年以来、イノベーションとイノベーターにおける最高のものを表彰し称えてきたEdison Award(エジソン賞)は、世界中で高く評価されるイノベーションアワードです。
Edison Award(エジソン賞)の全プログラムの詳細と過去の受賞者一覧はwww.edisonawards.comをご覧ください。