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X Line 対物レンズを使用する3つの利点

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X Line 対物レンズ

対物レンズは狙ったとおりの高画質画像を取得するため、顕微鏡システムにおいて重要な役割を果たしています。しかし現実には、従来の多くの対物レンズでは、顕微鏡の性能を低下させうるイメージング上の課題が発生します。

幸い、光学技術は進歩し、一般的なイメージングの不具合を補正し続けています。今回のブログでは、高品質イメージングデータを可能にする、オリンパスの高性能X Line対物レンズを利用する3つの利点を探っていきます。

1. 一定した品質をもたらす拡張されたフラットネス。

従来の対物レンズを使用すると、広い視野(FOV)で均一にフラットな画像を得ることは非常に困難となる可能性があります。画像のフラットネスにムラがあると、画像の端が暗くなる、あるいはピントが合わないことがあり、画質の低下につながって、サンプルの解析や測定が難しくなります。

オリンパスのX Line対物レンズはどのように役立つのでしょうか。オリンパスの対物レンズでは、大きなFOV観察において中心から端まで、優れた画像フラットネスが得られます。視野全体にわたる画像の均一な品質の高さにより、正確につなぎ合わせた、組織切片全体などの大きな検体の作成が可能となります。定量解析に使用する画像データの信頼性の高さにも安心していただけます。

例を見てみましょう。

左:従来の対物レンズ右:X Line 対物レンズ

左:従来の対物レンズ/右:X Line 対物レンズ

これらのFucci2 Tgマウスの脳切片の12 x 12の画像は、従来の60倍油浸対物レンズとX Line 60倍油浸対物レンズ(NA1.42)を用いて、FV3000共焦点顕微鏡で撮影したものです。(シアン:DAPI(405nm))。

ご覧のように、X Line 対物レンズの向上したフラットネスによって、より高品質な貼り合わせ画像が作成可能です。

(写真提供:理化学研究所脳科学総合研究センター 細胞機能探索技術研究チーム 木暮貴子氏および宮脇敦史氏)

2. 強化した色収差補正による優れた色再現性

色収差は、よくある光学的な課題です。これは、レンズの焦点が、同じ場所で異なる色に合わない場合に発生します。基本的に、レンズはプリズムの役目をして、レンズを通る光が異なる角度に分離します。そのため補正無しでは、顕微鏡画像は周りが着色され、捻れて見えます。
それでも、多くの従来のレンズでは、色収差補正が不十分です。

オリンパスのX Line 対物レンズでは、400nm~1,000nmの広い色収差補正が行えます。これにより、明視野や多色蛍光イメージングでの、はるかに優れた色再現性が実現します。正確な色再現性が画像の信頼性を向上させるため、より正確なデータを得ることが出来ます。

下の画像で、その違いをご覧ください。

左:従来の対物レンズ/右:X Line 対物レンズの色再現性比較左:従来の対物レンズ/右:X Line 対物レンズの色再現性比較

左:従来の対物レンズ/右:X Line 対物レンズの色再現性比較

蛍光in situハイブリダイゼーション技術を用いて標識されたこれらのHeLa細胞の画像は、従来の60倍油浸対物レンズとX Line 60倍油浸対物レンズ(NA1.42)を用いて、FV3000共焦点顕微鏡で撮影しています。(CEP17(グリーンスペクトル)、CEP18(オレンジスペクトル)、核(DAPI))。

X Line 対物レンズの400~1000nmの広い色収差補正領域により、緑と赤の信号が核内に正確に現れています。従来の対物レンズで撮影した画像では、細胞核の下に表示されている信号は核の外に現れています。

3. 開口数向上で優れた画質。

対物レンズの開口数によりその集光性能が示され、画像解像度が決定されます。基本的に、開口数の大きな対物レンズで撮影すれば、高い解像度の鮮やかな画像が取得でき、詳細にサンプルを観察できます。

逆に、高倍率で低開口数の対物レンズでは、詳細にサンプルを観察する能力が限られ、重要な情報を見落とすリスクが高まります。

オリンパスのX Line 対物レンズの開口数は最大1.45と大きく、定量解析に有用な優れた画質が確実に得られます。蛍光観察におけるDIM信号の検出や、生細胞の蛍光イメージング実験における光毒性/褪色の低減など、開口数の向上は多くのアプリケーションに活用されます。

下の例で、オリンパスのX Line 対物レンズの大きな開口数がどのように鮮やかさを向上させるかをご覧ください。

左:従来の対物レンズ(NA0.75)/右:X Line 対物レンズ(NA0.8)の画像解像度比較左:従来の対物レンズ(NA0.75)/右:X Line 対物レンズ(NA0.8)の画像解像度比較

左:従来の対物レンズ(NA0.75)/右:X Line 対物レンズ(NA0.8)の画像解像度比較

これらのNG108-15細胞の広角視野蛍光画像は、従来の20倍乾燥対物レンズとX Line20倍乾燥対物レンズで撮影しています。(青:核、緑:微小管、赤:アクチンフィラメント。)

画像比較でお分かりのように、X Line 対物レンズの向上した開口数は、より多くの光を捉え、より鮮やかな画像になっています。

効率的な実験が可能となる優れた対物レンズ

従来の対物レンズでは、これらの重要な3つの利点である、開口数、画像フラットネスまたは色収差補正を妥協しなければならないことが頻繁にあります。1つの領域を改善するために対物レンズを切り替えると、別の点を妥協しなければならない場合があります。

オリンパスのX Line高性能シリーズは、超薄型レンズで製造されており、1つの対物レンズで3つの利点全てが得られるので、より効率的な実験が可能です。X Lineシリーズから、あなたのアプリケーションに最適な対物レンズを見つけてください。


※HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/
 

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Staff Writer

Rebecca氏は、Olympus Scientific Solutionsのスタッフライターです。Endicott Collegeでジャーナリズムの学士号を取得し、科学および産業におけるトレンドとテクノロジーについて執筆しています。オリンパスのエンジニアや科学者と密接につながって仕事をし、最新のレーザー走査型、超解像、多光子、正立型、実体、倒立型の顕微鏡システムの他、最先端の光学系、カメラ、ソフトウェアについての記事を書いています。細胞学、病理学、教育など、数多くのアプリケーションにおけるオリンパスの最新の状況を知るためには、彼女の記事を読んでください。

2019年10月1日
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