スフェロイドの細胞数計測
細胞イメージング解析システムと組み合わせた共焦点観察により、ユーザーはスフェロイドの断面画像を使用して、スフェロイド内の細胞数をカウントすることができます。
目的
細胞の数を知ることは、細胞を用いたアッセイにおいて最も重要なパラメーターの1つであり、これはスフェロイドの解析においても当てはまります。血球計算盤を使用して細胞数をカウントする場合は、スフェロイドをトリプシンで分解して細胞懸濁液を作製する必要があります。しかし、これを行うと、スフェロイドの3次元構造に由来する特性が失われます。本研究では、スフェロイドの細胞数カウントを非破壊で次のとおり実施しました。つまり、細胞解析システムの使用と組み合わせた共焦点観察によって、スフェロイドの断面画像内の細胞の数を計測しました。その結果を、血球計算盤を使用して得られた結果と比較しました。
サンプルの作製
HeLaまたはHT-29の細胞懸濁液を、1ウェル当たりの細胞数が500個になるようにPrimeSurface®96Uプレート(住友ベークライト株式会社)に播種しました。細胞培養開始から48時間後に、各スフェロイドを回収しました。各スフェロイドの半分を4%ホルマリンで固定してから、Hoechst
33342で染色し、一晩透明化させました。各スフェロイドの残りの部分は、トリプシンで一晩処理して細胞懸濁液を作製しました。
1) Susaki et.al. Cell. 2014 Apr 24;157(3):726-39. doi: 10.1016/j.cell.2014.03.042. Epub 2014 Apr 17.
結論
細胞解析システムと血球計算盤を用いた細胞数カウント
システムを使用して、上記のスフェロイドの蛍光画像を取得しました。(励起波長:405 nm、蛍光波長:488
nm)。細胞をカウントするため、システムはスフェロイドの断面画像を20
μmごとに取得して、可視細胞を識別してカウントします(図1※)。次に、スフェロイド全体に含まれる細胞の総数を推測するために、核の数が合計されます(システムによるカウント)。その結果を、図2(バー:SD、n=6)に示すように、血球計算盤を使用して得られた結果(手動カウント)と比較しました。これらの結果から、システムを使用すれば、トリプシンでスフェロイドを分解する必要なく、かつ、スフェロイドの構造の完全性を維持しながら、スフェロイドの細胞数をカウントできるということが分かりました。
図1※:
(a)スフェロイド内の細胞識別の画像
(b)疑似カラーで示されたスフェロイド内の細胞識別の画像
(c)スフェロイド内のZ位置における細胞識別の画像
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図2:
システムまたは血球計算盤によって測定されたスフェロイド内の細胞の数
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PrimeSurfaceは、住友ベークライト株式会社の登録商標です。
Olympusはオリンパス株式会社の登録商標であり、NoviSightおよびInsightful Analysis、Intelligent Answersはオリンパス株式会社の商標です。
※HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta
Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/
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